仲良くしなくても、大切にできる
好きになれない人がいてもよい。仲良くできるかどうかと、人を大切にできるかどうかは別の問題です。

「みんな仲良く」。とても美しい言葉です。けれど、現実の人間関係は、それほど簡単ではありません。
気の合う人もいれば、どうしても苦手な人もいます。話すと疲れる人、考え方が合わない人、過去の出来事があって近づけない人もいます。
好きになることは命令できない
人の気持ちは、命令で変えられません。「好きになりなさい」と言われて好きになれるなら、誰も人間関係では悩まないでしょう。
大切なのは、好きになれない自分を隠すことではなく、その感情があるまま、相手を傷つけない道を探すことです。
距離を取ることもある
関係によっては、距離を取ることが必要です。それは「相手を粗末にする」こととは違います。近くにいないほうが互いを傷つけずに済むこともあります。
仏法が教えるのは、理想的な人間関係を演じることではなく、煩悩を抱えた私たちが、なお人を人として遇する道を聞いていくことだと思います。
仲良くできなくても、大切にすることはできる。その小さな区別が、自分にも相手にも、少しだけ余白をつくってくれます。
淨泉寺 住職 釋延洋
